事案番号 #1511
山形・月山の霧中のおぼろ人影
概要
2020年から2022年にかけて、山形県の月山(1984m)の登山道で、霧の深い日に複数の登山者がぼんやりとした人型の光を見るという体験を報告した。現象はブロッケン現象(自分の影が霧に投影される現象)の可能性が高いが、複数の独立した方向から同時に人影が現れたとする報告や、目撃者自身の動きとは異なる動きをした影の報告があり、単純なブロッケン現象では説明できないケースが含まれている。
詳細
月山は山形県に位置する羽黒山・湯殿山とともに出羽三山をなす霊山で、古来より修験道の聖地として知られる。夏から秋にかけて濃霧が発生しやすく、ブロッケン現象が比較的よく観察される山でもある。
2020年8月の最初の報告は、ガイドとともに月山を登山していた20代のグループ(5名)からのものだった。山頂手前の尾根で濃霧に包まれた時、全員が「霧の中に人型の光るシルエット」を目撃した。ガイドはブロッケン現象と説明したが、シルエットが自分たちとは異なる動きをしたと全員が証言した。「私が手を上げたら、人影も手を上げた。でも別の人影が別の方向から現れて、手を上げていなかった」という証言が残っている。
2021年に3件、2022年に2件の類似報告が届いた。そのうち1件は単独登山者(40代男性)からのもので、「霧の中に自分と同じ服装をした人が立っていた。近づいたら、その人も近づいてきた。最終的に同じ場所に立っていた。ブロッケン現象だと思う。でも、その後で別の人影が別の方向から現れたのは説明できない」と述べている。
気象学の専門家は「ブロッケン現象は太陽光と霧の微粒子によって自分の影が虹の輪に包まれて見える現象。複数の光源(太陽・反射光)がある場合、複数の光環が生じることがある。しかし独立した動きを持つ人型のシルエットは、通常のブロッケン現象では生じない」と述べた。月山の修験の文脈では「山の神に試されている」という解釈が共有されており、神社側は「霊山での体験として記録する立場」をとっている。
時系列
- 2020年8月5名のグループが尾根の霧の中で「独立した動きをする複数の人型シルエット」を目撃。ガイドもブロッケンでは説明できないと認める。
- 2021年(3件)単独・グループの登山者から3件の類似報告。自分以外の方向からも人影が出るという内容を含む。
- 2022年(2件)さらに2件。一件は「自分の影が近づく(ブロッケン)後に別方向から第三の影」という報告。
- 2022年(専門家調査)気象学専門家が分析。複数光源による複数光環の可能性を提示するも、独立した動きは説明できないと評価。
- 現在霧の発生条件と目撃件数の相関を分析中。月山の修験記録との照合も実施。
目撃者証言
登山ガイド(40代男性)「ブロッケン現象は何度も見ている。自分の影だから同じ動きをする。あの日は違った。私が動いていないのに、別の方向から人影が動いた。ブロッケンじゃない。何か別のことが起きていた」
単独登山者(40代男性)「最初は自分の影だと思った。近づいたら近づいてきたから。でも急に、横から別の人影が現れた。私の影は前にあるのに、横の影は独立して動いていた。説明できなかった」
若い登山者(20代女性)「手を上げたら、向こうも手を上げた。絶対ブロッケンだと思った。でも横を見たら、もうひとつ影があって、こちらを見ていた。そっちは手を上げていなかった。背筋が凍った」
究の考察
ブロッケンは自分を映す。月山の影は独立して動いた。霊山は自前の住人を持っている。




