事案番号 #1495
高野山奥之院の無音の参拝者
概要
2019年から2023年にかけて、和歌山県の高野山奥之院の燈籠堂付近で、深夜の警備員と巡礼者から「足音がしないにもかかわらず傍らを通り過ぎる人影」の目撃が複数回記録された。石畳の参道では通常、足音がはっきり聞こえるが、目撃された人影は一切の音を立てていなかった。目撃後に参道を確認しても該当する人物は発見されなかった。高野山は空海が入定したとされる聖地であり、弘法大師への信仰が続く場所である。
詳細
高野山奥之院は高野山の中心的な聖地であり、弘法大師・空海が今もなお入定(生きた状態で仏の境地に入った)していると信じられている霊廟がある。燈籠堂(灯明堂)には多数の燈籠が絶えず灯され、現在も多くの巡礼者が訪れる。深夜から早朝は参拝者の数が極端に少なく、静寂に包まれる。
2019年11月の最初の事案は、夜間警備員(50代男性)が燈籠堂から御廟橋への参道を巡回中に、白い装束を身に着けた人物が前方を歩いているのを認識したが、石畳の上の足音が全くしなかったとするものである。男性が「もしもし」と声をかけながら近づいたところ、人物は燈籠の列の中に消えた。その後、参道上には誰もいなかった。
2020年〜2021年に計3件、2022年に2件の類似報告が記録された。いずれも白または薄い色の衣を着た人物であること、参道の照明下でぼんやりと視認できること、音がしないこと、近づくと消えることが共通していた。ある報告では、人物が手を合わせたまま移動していたとされている。
2023年の事案では、デジタル録音機を持参した調査員が夜間の参道に長時間滞在した。参道を移動する足音と衣ずれを複数回記録したが、その音は当時周囲に実際に歩いていた巡礼者の足音と時刻が一致しており、人影を伴わなかった。
高野山の僧侶は「奥之院では古来より、信仰を持って来る人々が霊的な体験をすることがある。弘法大師は今も奥之院にいらっしゃると伝えられているが、それが特定の形で現れるかどうかは個人の信仰の領域」との見解を示した。
時系列
- 2019年11月(深夜)警備員が白装束の人物が足音なく参道を歩くのを目撃。近づくと燈籠の中へ消えた。
- 2020年〜2021年同様の報告3件。いずれも白い衣の人物、無音、消滅というパターン。
- 2022年2件の追加報告。手を合わせたまま歩く人物の目撃も含む。
- 2023年調査員が録音機を持参して夜間調査。人影なしの足音・衣ずれを参道で収録。
- 現在音声データの分析継続。目撃報告の収集継続中。
目撃者証言
夜間警備員(50代男性)「白い服の人が前を歩いていた。石畳なのに足音がしなかった。声をかけながら近づいたら、燈籠と燈籠の間に消えた。そこには誰もいなかった。怖いというより、不思議だった」
巡礼者(60代女性)「深夜に御廟橋の方へ歩いていたら、前の方に白い影が見えた。巡礼者かと思ったが、音が全くしなかった。影は橋の手前で消えた。弘法大師のお使いだと思った」
調査員(40代男性)「録音機には足音が入っていた。でも実際にはそこに誰もいなかった。そういう意味では、聞こえていないはずの音が録音されている。説明できない部分が確かにある」
究の考察
音のない人影が奥之院を歩く。録音機は音を拾うが、姿がない。弘法大師は今日も巡礼を続けているかもしれない。




