事案番号 #1490
長崎・軍艦島の操業停止後の音声
概要
2009年の世界遺産登録準備以降、長崎市の端島(軍艦島)の廃墟内で、許可を受けた調査員と観光ガイドが人の話し声や作業音に似た音を断続的に記録している。島は1974年に閉山・全島民が退去した後、無人となっており、音の発生源となる人物は存在しない。調査員が持参した録音機には「明確な会話パターン」を示す音声が複数回収録されており、音響分析では「偶然のノイズが人語パターンを形成した可能性は低い」との評価が得られている。
詳細
端島は長崎港から約18キロに位置する無人島で、1890年から1974年まで石炭採掘の島として機能した。最盛期には狭い島に5000人以上が生活する世界最高密度の居住地となった。閉山後は急速に廃墟化が進み、高層アパートや施設の廃墟が現存している。現在は世界遺産として観光ツアーが行われているが、建物内部への立ち入りは一般禁止である。
最初の正式な記録は2010年のことで、文化庁の依頼で建物保存状況を調査していた調査員チームが第4棟(高層アパート廃墟)の廊下で録音機を作動させたところ、夜間の静寂の中で「2〜3人が会話しているように聞こえる断続的な音声」を収録した。音声は日本語のような抑揚を持ち、特定の単語を認識できたとするメンバーもいたが、全員が一致した解釈はできなかった。
2015年以降は観光ガイドからの報告が増えた。建物外周からの観光案内中、廃墟の内部から「話し声」「足音」「金属を叩く音」が聞こえるとする報告が複数寄せられた。1人のガイドは「昼間でも内部から話し声が聞こえることがあった。最初はハトの声と思ったが、明らかに違う抑揚だった」と証言している。
2019年に音響学の専門家が機器を持ち込んで測定を行った。廃墟の金属製の廊下や内壁は特定の周波数帯で共鳴する性質があり、海風が複雑な廃墟構造を通過する際に特定の共鳴音を発することが確認された。しかし海風による共鳴音はランダムなパターンを持つはずであり、収録された音声の「会話的な抑揚」は共鳴だけでは説明できないとする所見も出た。
現在も定期的な音声記録が継続されており、音響データベースの整備が進んでいる。
時系列
- 2010年文化庁の調査員が第4棟廊下で「2〜3人の会話のような音声」を録音。日本語の抑揚を持つ。
- 2015年以降観光ガイドから「廃墟内部からの話し声・足音・金属音」の報告が増加。
- 2018年ガイドが昼間に「ハトとは異なる抑揚の声」を内部から聞く。
- 2019年音響専門家が現地測定。海風の共鳴音を確認するも、「会話的な抑揚」の説明には不十分と評価。
- 2020年以降定期的な録音記録を継続。収録音の音響分析データベースを整備中。
- 現在音響データ分析継続。軍艦島保存委員会との情報共有体制構築中。
目撃者証言
文化庁調査員(40代男性)「夜中の2時頃、誰もいないはずの廊下から声が聞こえた。複数の人が話しているような音だった。録音した。後で聞いても、会話の抑揚に聞こえた。海風とは違う」
観光ガイド(30代女性)「内部から話し声が聞こえた。昼間なのに、廃墟の奥から。最初はハトかと思った。でも明らかに人の声の抑揚だった。同僚に話したら、みんな似たような体験をしていた」
音響専門家(50代男性)「廃墟の金属構造が共鳴することは確認できた。だが録音された音声には会話的なパターンがある。共鳴だけで会話の抑揚が生まれることは、理論的に説明しにくい」
究の考察
無人の島から会話が聞こえる。5000人の記憶が金属と共鳴している可能性がある。




